ゆきづまる辺野古新基地建設 県と未協議、希少サンゴ、超軟弱地盤 護岸つなげても矛盾山積

  • 2018.06.02 Saturday
  • 23:55

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、安倍政権は沖縄県から岩礁破砕許可を得ないままの違法な埋め立て工事を続けています。一部工区を護岸で囲い込もうとして、土砂投入の危険も迫っています。しかし、多くの矛盾を抱えており、容易には進みません。

 

 安倍政権は連日、米軍キャンプ・シュワブゲート前での住民の抗議を排除して石材を投入し、護岸工事を強行しています。

 

 工事の現状に詳しい平和市民連絡会の北上田毅氏によれば、現在、辺野古漁港側での護岸工事は1日約10メートルのペースで進んでおり、単純計算すれば、7月上旬にも第2工区の外周がつながります。

 

 埋め立て土砂約2100万立方メートルの8割は県外から調達されますが、防衛省は第2工区のうち、西側で使用する土砂319万立方メートルについては、県内での調達を想定。土砂投入の強行へ動きを強めています。

 

 しかし、7月中の土砂投入は容易ではありません。まず、護岸工事の現状はあくまで基礎工事の段階であり、上部工・本体工を含めて完成された護岸は一つもないことは、施工主である沖縄防衛局も事実上認めています。

 

 また、埋め立て工事に関する実施設計の事前協議を沖縄県と行う必要がありますが、現時点で事前協議書は提出されていません。こうした下で土砂投入を強行すれば、違法に違法を重ねる暴挙です。

 

 さらに、深刻な矛盾は希少サンゴの存在です。第2工区には絶滅危惧種のオキナワハマサンゴが存在しています。防衛局は昨年10月、移植のための特別採捕申請を提出しましたが、県は不許可としました。今年3月に再申請しましたが、結論は出ていません。

 

 このまま護岸工事を続ければ水温が上昇し、サンゴの生息環境が悪化します。防衛局は5月28日の環境監視等委員会で、遮光ネットなどを設置し、埋め立て区域外からポンプで海水を導入することで、サンゴを残したまま工事を継続する方針を示しました。

こうした手法は過去に前例がなく、専門家からは懸念の声が相次いでいます。さらに、仮に護岸の中でサンゴが生存したとしても、土砂投入すれば死滅は不可避です。北上田氏は、「現状では土砂の投入はできないし、許されない」と指摘します。

 

「マヨネーズ地層」 改良には県の承認

 

 防衛局が県に提出した辺野古埋め立て承認願書では、大浦湾側の第1工区での工事を先行させる計画でしたが、現状では大浦湾側の工事は止まっています。

 

 その理由として、新基地反対の稲嶺前名護市政により、埋め立て区域に流れ込む美謝川の水路切り替えが行われていないことに加え、今年3月、防衛省が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に提出した地質調査報告書で、護岸工事予定地の海底に地盤強度を示すN値が0(ゼロ)を示す地点が複数存在することが判明しました。N値が高ければ高いほど強度が強く、大型の構造物の場合、50以上が望ましいとされています。

 

 深刻なのが、ケーソンと呼ばれる大型のコンクリートの箱を用いる護岸の建設予定地付近です。中には、谷のような地形で深さ40メートルまでN値ゼロが続いている箇所もあります(地図)。「ヘドロ地盤の『羽田マヨネーズ地層』並み」(日本大学・鎌尾彰司准教授)との指摘もあります。

 

 このため、大規模な地盤改良は避けられず、沖縄県に辺野古埋め立て工事の設計変更を申請する必要があります。

 

 防衛省はこれまで、新基地阻止を掲げる翁長雄志知事の権限を行使させないため、設計変更申請から逃げてきました。しかし、「軟弱地盤の改良工事なら変更申請が必要だ」との見解を示しています。(17年4月18日、衆院安保委員会で高橋憲一整備計画局長)

 

工事遅れ政府焦り 安倍政権追いつめ

 

 安倍政権は県民の民意を無視し、法治主義・地方自治を破壊して新基地建設を強行しています。しかし、全体の流れを見れば、追い詰められているのは政府の方であることが分かります。

 

 埋め立て本体工事の着工が15年10月で、現在2年7カ月が経過しています。埋め立て承認願書によれば、工期は5年で、2年7カ月目の時点で護岸19本(仮設工を含む)中17本が完成し、土砂投入は3工区のうち1、2工区で完了する計画でした。しかし、現状では完成された護岸ゼロ、土砂は1粒も投入されていません。

 

 沖縄県は今年3月、ワシントンで開催されたシンポジウムで配布した資料で、工事遅れの主な要因として、(1)県民の抗議活動による遅れ(日常的な抗議活動など)(2)知事の権限行使による遅れ(訴訟結果としての和解による10カ月の工事停止など)を挙げました。

 

 県民の7〜8割という辺野古新基地反対の圧倒的な民意を背景とした不屈のたたかいと、その結果として成立した翁長県政が本格的な埋め立て工事を食い止めてきたのが現状です。これから、翁長知事による埋め立て承認撤回や今年11月の県知事選、県民投票など、新基地をめぐるたたかいは大きな正念場を迎えます。(しんぶん赤旗 2018年6月2日)

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